ある日のことです。兄弟らしい小学生の男の子が観音堂前の窓を開けて、背伸びしてお参りをしていました。そのあと、二人は納経所へ走ってきて、弟さんが元気よく「御朱印お願いします」と言いました。私もつられて大きな声で「はい」と返事をしました。少し離れてご両親が微笑んでいます。そして今度は、二人声をそろえて「ありがとうございます」と次の札所へ向かいました。見送りながら温かい気持ちになり、嬉しかったです。

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巡拝の皆さまは様々な思いを携えて、お参りされています。いつもとは違った景色を眺め、美味しいものを頂き、楽しく、喜びを感じながら、また、悲しく、苦しい思いや、切なる願いを抱かれて巡拝されている方もいるかもしれません。その「思い」や「願い」の全てを、観音様はお聞きくださり、受け止めてくださいます。だからこそ、「生きていく力」をいただけるのです。きっとお参りの後、穏やかな有難い気持ちになれるのではないでしょうか。またお参りしたいと感じるのです。

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ぜひとも三十七か所の観音様に皆様の「思い」「願い」をお届けください。そして観音様と「尊きご縁」をお結びください。観音様は、いつでも皆様を待っていらっしゃいます。　合掌

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令和６年６月　南知多三十三観音霊場会　会長　

　　　　　　　　　　　１２番札所　新蔵寺　竹川正悟