『謙虚さを忘れないように』  第23番札所 西方寺

寺には位牌堂があり、毎朝ご先祖の命日に霊膳を供えています。

ある日、檀家のおじいさんが寺に来られ「和尚さん、お膳に欠けたお碗を使ったらいかん。わしらも欠けた茶碗を使ってご飯食べるのはいややろ。寄付するですぐに新しいのに変えてくれ」と。

言われて一瞬、そんなにひどいお椀は使ってないと思うけどと。弁解がましい言葉が口からついて出る。確かに、そろそろ交換かなと思っていた矢先。素直にそうですかとはいかない。後で確認し、おじいさんの言われるとおりだったと反省する。

まずかったかな。よくよく考えてみると、位牌堂のお膳一式すべてこのおじいさんが寄付されたもの。そんなおじいさんの思いを無にしないためにも、任されたこちらは日々の勤めをおろそかに出来ないと再認識した次第です。

人間は傲慢な心を必ず持っています。相手の気持ちなど考えることなく、自分を押し通す。わたし自身もこれまで多くの人たちに気づかないうちに傷つけてしまったことがあったにちがいないと思うし、これからもそうかもしれません。辞書には傲慢をおごりたかぶる慢心、思い上がりの心とあります。気づかせていただいたように思います。

こちら側だけの思い込みで見失うことの多いこと、常に相手があることを忘れてはいけないのです。

みのる程 頭たれる 稲穂かな

謙虚さをわすれないようにしたいものです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です